「スマレジでこれができないので作ってほしい」という相談をいただくとき、最初に決めることが1つあります。そのアプリを自分の店だけで使うのか、他の店にも売るのかです。ここで進め方も費用も期間も変わります。相談の前に読んでおくと話が早い部分なので、整理しておきます。
2つの道がある
スマレジのプラットフォームAPIを使ったアプリには、大きく2通りの出し方があります。
- 自社専用アプリ(プライベートアプリ)。自分の店舗だけで使う。スマレジ・アプリマーケットには並べない
- アプリマーケットへの公開。他のスマレジ利用店舗も導入できる商品として並べる
同じ機能を作るとしても、この2つは別の仕事です。前者は「1店舗の業務が回ること」がゴールで、後者は「知らない店が説明なしに使えること」がゴールになります。
審査があるかないか
自社専用アプリはスマレジの審査が不要です。作って、自分の店のスマレジにつないで、使い始められます。仕様を途中で変えても、誰かの承認を待つ必要がありません。ここが実務上いちばん大きい差です。
アプリマーケットに公開する場合は審査があります。審査では、自分の店で動くかどうかとは別の観点が入ります。他店の環境で壊れないか、権限の要求が過剰でないか、料金と機能の説明が実際と合っているか、といったところです。
つまり公開側では、機能を作り終えてからが半分です。ここを見落とすと期間の見積もりが大きく外れます。
手数料が発生するかしないか
自社専用アプリはアプリマーケットを介さないので、スマレジへの手数料が発生しません。毎月かかるのは、アプリを動かしているサーバー等の費用だけです。1店舗で使う業務アプリなら、ここは小さく収まることが多いです。
アプリマーケットで販売する場合は、売上に対する取り分が発生します。率や条件はスマレジ社との契約によるので、ここでは金額を書きません。公開を検討する段階でスマレジ社に直接確認する項目だと考えてください。
判断の目安として、自分の店の困りごとを解くだけなら、手数料の話は最初から出てきません。
費用と期間の目安
当方でお受けする場合の目安です。いずれも税別で、要件の大きさによって変わります。
- 自社専用アプリ: 30万円から。困りごと1つを解く範囲。審査待ちがないので、決まってから使い始めるまでが短い
- アプリマーケットへの公開: 80万円から。審査対応を含む。他店で動くことの担保と、料金・機能の説明の整備が乗る
どちらか決めきれない段階なら、先に整理だけを依頼することもできます。現状を見て、何が作れるか・どの順で進めるかを文書にするところまでで5万円(定額・1〜2週間)です。すでに公開しているアプリで足りる場合はそちらを案内します。
どちらを選ぶか
判断はだいたいこの一点で決まります。
その困りごとは、自分の店の事情から来ているのか。それとも同じ業種の店がどこも抱えているのか。
自分の店の事情なら自社専用アプリです。商品の並べ方、レジ前の動線、既に使っている別のシステムとの兼ね合いなど、他店に合わせる必要のない部分にそのまま合わせられます。審査を通すために仕様を一般化する作業が要りません。
同じ業種のどこもが抱えている困りごとなら、公開を検討する価値があります。ただし公開は「作る」より「売る」の比重が大きく、説明・問い合わせ対応・仕様変更への追随が続きます。最初から公開を狙うより、まず自社専用として作って使い、必要が確かめられてから公開に回す順序をおすすめしています。この順なら、使われない機能に公開のコストを払わずに済みます。
これまでに8本作り、7本をアプリマーケットで公開、1本を審査に提出しています。どちらの手順も通しているので、途中で方針が変わっても対応できます。